『ウィンドガールズ』は、女子スキージャンプをテーマにした短編映画です。本作の監修は山田いずみさん。1984年、小学校1年生だった山田さんは全国でたった3人しかいなかった女子ジャンパーの一人として飛び始め、数々の記録とともに女子ジャンプの礎を築いたパイオニアです。監督の大橋泰之は、道内外で活躍する写真家であり、女子ジャンパーを紹介する冊子の制作を通して「女子スキージャンプ」の認知を目指し、山田さんと二人三脚で走り続けてきた人物。クラウドファンディングを始め、多くの皆さんの声援を受けて、大きく飛躍する小さな物語です。
映画制作のきっかけは、今から10年以上前に遡ります。2009年に現役を引退した山田いずみさんは、「女子スキージャンプを知ってもらいたい」という想いの中で、女子ジャンパー達の素顔や、競技の魅力を詰め込んだ1冊のフリーペーパーを創刊しました。掲載する写真の撮影は、高校時代の同級生である写真家の大橋泰之が担当。スポンサー集めに奔走しながら、手弁当で始めたそのフリーペーパーは、山田さんの熱い想い、選手たちの活躍によって、媒体としての力をつけて、約10年間発行し続けました。
「紙で出来ることはここまで。次は、映画だね!」。最終号を発行した後に、冗談めかしながら山田さんと大橋が交わしたこの会話こそが、『ウィンドガールズ』の原点です。
みなさんは知っていますか?スキージャンプは冬だけではない、ということを。
夏だって選手たちは空を飛んでいるんです。輝くグリーン、爽やかな夏空の中で迫力のジャンプを魅せる「サマージャンプ」は、冬とは違う魅力が存分に詰まっています。「テレマーク」「K点」「ウィンドファクター」など、聞いたことはあるけれど、どういう意味なんだろう?スキージャンプは知れば知るほど楽しめる競技です。追い風よりも向かい風の方が有利に飛べるなんて、格好良いと思いませんか?
「スポーツが持つ力って凄いんだ。スキージャンプって凄いんだ」。
この言葉は、映画制作を決めた際に、山田さんが寄せてくださった言葉です。本作は「女子スキージャンプを身近に!」を合言葉に、競技の魅力や喜びを伝えていく物語です。